経済の美学 ― 善き経済の描き





このセッションで語られたこと
美しさを感じることは、善い行為や経済の仕組みとどうつながるかが論じられた。見た目の美と道徳的な美の体験に共通する脳反応や、悲しみを美しく伝える写真が寄付行動に影響した実験が紹介された。希望を正直に申告することが得になる制度を、美しい経済の仕組みとして捉える見方も示された。長門湯本で宿泊率と単価の積を町全体の指標として共有した事例から、個々の事業の利益を超えた経営と、時間をかけて育つ価値が語られた。
セッションの概要
経済は果たして効率だけを求めるものなのだろうか。経済と美学という、かつてアダム・スミスの時代には一つだった領域は、再び出会い直すことができるのか。その鍵として、美学自体の発展、経済自体の発展の実際の現場を捉えながら、この壮大で、しかし産業と暮らしが分かれないための領域についてを構想します。
登壇者

安田 洋祐Yosuke Yasuda
国立大学法人政策研究大学院大学 教授
ミクロ経済学・ゲーム理論・マーケットデザインを専門とする経済学者。東京大学経済学部を卒業後、プリンストン大学で経済学の博士号を取得した。政策研究大学院大学助教授、大阪大学准教授・教授を経て、2025年10月より政策研究大学院大学教授。American Economic Review をはじめとする国際学術誌に論文を発表するとともに、2020年には経済学を実務で使えるようにすることを目指して株式会社エコノミクスデザインを共同創業した。

小野塚惠美Emi Onozuka
一般社団法人科学と金融による未来創造イニシアティブ 代表理事
グローバル金融機関で約25年、機関投資家として20年以上の経験を持ち、サステナブルファイナンス、ESG、インパクト投資を専門とする。JPモルガンを経て、2000年から2020年までゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントに勤務し、アジア太平洋運用部門のCOOやスチュワードシップ責任推進部長を務めた。現在は一般社団法人科学と金融による未来創造イニシアティブの代表理事として、科学・技術と金融を結ぶ人材育成や資金循環の形成に取り組み、エミネントグループ株式会社代表取締役社長CEOも務める。

石津智大Tomohiro Ishizu
学校法人関西大学 関西大学文学部 教授
関西大学文学部の教授として、神経美学、実験心理学、認知神経科学を研究している。心理学と脳科学の手法を組み合わせ、美しさや醜さ、芸術鑑賞、創造、感動などの感性体験が生じる際の脳と認知の働きを検討する。感性科学の社会応用にも取り組み、芸術や身近な感覚を題材に、人の心の働きを根拠に基づいて説明する教育・研究を行っている。

阿座上 陽平Yohei Azakami
株式会社Zebras and Company 共同創業者 兼 代表取締役
「残すべき未来につながる事業をつくる」を掲げ、社会性と経済性を両立させるゼブラ企業の investing と伴走に取り組む。早稲田大学商学部を卒業後、インフォバーンを経て株式会社BAKEで複数部門の責任者を務め、2021年に Zebras and Company を共同創業した。事業戦略の設計と、担い手が集まるエコシステムづくりを専門とする。
依田 真美Mami Yoda
モデレーター相模女子大学大学院社会起業研究科 / 株式会社エッセンス 特任教授 / 監査役(社外)
収録映像で見る
このセッションの収録映像(字幕・要約つき)は、アーカイブ配信でご覧いただけます。全33本一括・視聴期限なし。