ブレインテック ― AIの先にある脳科学との融合





このセッションで語られたこと
脳を測り刺激する技術は何を可能にし、その成果をどう確かめるかが論じられた。脳波や筋電、心拍を組み合わせてロボットを操作する研究が紹介される一方、効果を十分に検証していない製品が多いという課題も示された。エネルギー需要を下げて急性疾患の危機を乗り越える人工冬眠の研究や、美術・音楽・道徳的な美の体験で共通する脳部位の反応が取り上げられた。脳活動と身体反応を合わせ、言葉にならない情動を捉える可能性も語られた。
セッションの概要
AIが人間に接続される時代。Brain Machine Interfaceは、人とAIが直接繋がる未来を現実に落とし込むためのテクノロジーです。そして、近年次々と明らかになる脳科学の最前線では、我々人間の可能性もより多く開かれてきています。本セッションではその両面を最先端の研究と共に知り、人類の次の行末を構想します。
登壇者

武見 充晃Mitsuaki Takemi
広島大学 大学院先進理工系科学研究科 准教授
2012年に慶應義塾大学大学院理工学研究科で修士(工学)、2015年に同研究科で博士(工学)を取得した。慶應義塾大学大学院理工学研究科の特任講師を経て、2025年より広島大学大学院先進理工系科学研究科 准教授。脳波と筋電図の計測、非侵襲の脳刺激、動作の計測と解析を組み合わせ、新しい運動技能を身につける過程と、その働きを高めるための脳状態の操作技術を研究している。神経科学の知見を民生機器へ応用するニューロテクノロジー(ブレインテック)について、社会に適正な認知が形成されることを目指し、手引きの作成や系統的レビューにも取り組む。

石津智大Tomohiro Ishizu
学校法人関西大学 関西大学文学部 教授
関西大学文学部の教授として、神経美学、実験心理学、認知神経科学を研究している。心理学と脳科学の手法を組み合わせ、美しさや醜さ、芸術鑑賞、創造、感動などの感性体験が生じる際の脳と認知の働きを検討する。感性科学の社会応用にも取り組み、芸術や身近な感覚を題材に、人の心の働きを根拠に基づいて説明する教育・研究を行っている。

砂川玄志郎Genshiro A. Sunagawa
国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター 冬眠生物学研究チーム チームディレクター
京都大学卒業後、小児科医として大阪赤十字病院や国立成育医療研究センターで勤務し、理化学研究所で睡眠制御や哺乳類の休眠機構を研究してきた。現在は冬眠生物学研究チームを率い、自然界の冬眠・日内休眠に伴う能動的な低代謝状態の仕組みを解明し、患者搬送、臓器保存、全身麻酔などへの人工冬眠の臨床応用を目指している。

阿久津完Kan Akutsu
株式会社アラヤ 研究開発部 部長/MultiSense Foundationチームリーダー
2012年に東京大学大学院で情報理工学の修士号を取得。株式会社ディー・エヌ・エーでソーシャルゲームの企画・開発、株式会社ZEALSで人事およびプロダクトの企画・開発を担当した。2023年6月に株式会社アラヤへ入社し、ブレイン・マシン・インターフェースの開発基盤づくりに従事。内閣府ムーンショット目標1の金井プロジェクトでは共通基盤技術の課題推進者を務め、脳波や筋電など複数の生体信号を統合するBMI開発を推進している。

隅屋 輝佳Teruyoshi Sumiya
モデレーター一般社団法人Pnika デザインリサーチャー
東京都東村山出身。青年海外協力隊、NPO法人でのオープンイノベーション推進業務などに従事。慶應大学SDMにて、マルチステークホルダーによるルールメイキングについて研究し修士号取得。その後、自身の団体や世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターにて、ひらかれた自律分散的なガバナンスのあり方として、アジャイルガバナンスを推進する。人類学者エスコバルの多元世界の概念と巡りあってから、ケアやマルチスピーシーズをキーワードに、自然との新たな関わり方、多元的なガバナンスのあり方を模索する。
収録映像で見る
このセッションの収録映像(字幕・要約つき)は、アーカイブ配信でご覧いただけます。全33本一括・視聴期限なし。