よき祖先になるリーダーの役割





このセッションで語られたこと
未来世代にとって良い祖先になるため、現在のリーダーが何を残し、何を手放すかが論じられた。事業や制度を増やすだけでなく、役割を終えたものを減らして余白を残す発想が示され、植林を続けながら引退した先人の逸話が紹介された。環境や健康の将来価値を割り引く財務評価への疑問から、将来ほど価値を増すものの測り方が問われた。遠い未来の利益を優先する長期主義が、目の前の困窮や小さな地域活動を見落とす懸念も語られた。
セッションの概要
我々が果たすべきリーダーシップとは何なのか。AI時代だからこそ問われる将来世代に対する責任ある行動とはどのようなものか。私たちが良き祖先になるための道筋を、最先端のAI倫理と仏教哲学の交差点から企業文脈と共に読み解きます。
登壇者

廣瀬 文乃Ayano Hirose
立教大学 経営学部 学部長・准教授
名古屋大学法学部を卒業し、日本電気株式会社(NEC)で海外事業に従事した。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(現・一橋ビジネススクール)で野中郁次郎名誉教授に師事し、2005年にMBA、2011年にDBA(経営博士)を取得。同研究科の特任講師を経て、2016年4月に立教大学経営学部へ移籍した。専門は知識創造理論に基づく経営戦略、リーダーシップ、ソーシャル・イノベーション。政策研究大学院大学の非常勤講師、日本ナレッジ・マネジメント学会の理事および実践ナレッジ・イノベーション研究部会の部会長も務める。共著に『実践ソーシャル・イノベーション』『イノベーションを起こす組織』『マンガでやさしくわかる知識創造』がある。

松本紹圭Shoukei Matsumoto
学校法人武蔵野大学 武蔵野大学ウェルビーイング学部 教授
東京大学文学部哲学科卒業後、浄土真宗本願寺派光明寺で僧侶となり、インド商科大学院でMBAを取得した。超宗派の僧侶向け学習プログラム「未来の住職塾」の共同設立者として寺院運営や僧侶の学びを支援。現在は武蔵野大学ウェルビーイング学部教授として、仏教思想、AI、トランスヒューマニズム、人新世以降の倫理を研究し、「よき祖先になる」という観点からリーダーシップや世代間責任を論じている。

藤本 宏樹Hiroki Fujimoto
住友生命保険相互会社 常務執行役員/一般社団法人WE AT 共同代表理事
1988年に東京大学経済学部を卒業し、住友生命保険相互会社へ入社。通商産業省への出向などを経て、ブランドコミュニケーション部門を担当した。2019年に新規ビジネス企画部を立ち上げ、2020年にはCVCファンドの設立を推進。2024年、大学や企業とともにウェルビーイング領域の社会起業家・スタートアップを支援する一般社団法人WE ATを設立し、共同代表理事に就任した。2026年時点で住友生命常務執行役員を務める。

隅屋 輝佳Teruyoshi Sumiya
モデレーター一般社団法人Pnika デザインリサーチャー
東京都東村山出身。青年海外協力隊、NPO法人でのオープンイノベーション推進業務などに従事。慶應大学SDMにて、マルチステークホルダーによるルールメイキングについて研究し修士号取得。その後、自身の団体や世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターにて、ひらかれた自律分散的なガバナンスのあり方として、アジャイルガバナンスを推進する。人類学者エスコバルの多元世界の概念と巡りあってから、ケアやマルチスピーシーズをキーワードに、自然との新たな関わり方、多元的なガバナンスのあり方を模索する。

美馬 のゆりNoyuri Mima
公立はこだて未来大学 教授(2026年4月より名誉教授)
1960年生まれ。教育工学者。公立はこだて未来大学および日本科学未来館の設立計画策定に携わり、大学では教授、科学館では副館長(2003-2006)を務めた。東京大学大学院情報学環 客員教授、日本学術会議会員。学習環境デザイン、科学教育、ミュージアム、プロジェクト学習を専門とする。著書に『AIの世界へようこそ──未来を変えるあなたへ』『AIの時代を生きる──未来をデザインする創造力と共感力』『未来を創る「プロジェクト学習」のデザイン』ほか。
収録映像で見る
このセッションの収録映像(字幕・要約つき)は、アーカイブ配信でご覧いただけます。全33本一括・視聴期限なし。